天竜川流域で暮らす小学5-6年生で結成された、天竜川調査隊! 天竜川の支流・小渋川の流域で「森の調査」をしています。
午後は、松川町と中川村にまたがる「小渋ダム」にやって来ました。ここにも、海につながる重要なポイントが隠れています。
まずは、国土交通省 中部地方整備局 天竜川ダム統合管理事務所の岡本さんから、ダムの基本的な役割について教わりました。
ダムには大きく分けて3つの役割があります。
①治水・・・大雨などの洪水時に、下流の被害を軽減するため、流す水の量を調節すること。②利水・・・農業用水、水道用水、工業用水などを補給すること。また発電を行うこと。③環境・・・健全な河川を維持するための流量を確保すること。
伊那チームからは、「美和ダム(伊那市長谷)で勉強したから知ってる!」との声があがりました。
お話を聞いた後は、実際にダム見学へ出かけます。ダムの下にある、怪しげな「穴」にやってきました。
大きなトンネルです。
この穴の名前は「土砂バイパストンネル」。洪水時に発生する大量の土砂を、下流に流すためのトンネルで、ダム湖への土砂の堆積を抑制することが目的です。
ダム湖に土砂が堆積すると、どうなるか。土砂が下流に流れていかず、最終的に、海の砂浜がどんどんやせ細っていくことが懸念されます。実際に、各地の海岸では、ダムによる影響の可能性も考えられる「砂浜の後退」が発生しているそうです。
「土砂バイパストンネル」は、その対策として設置されたもので、どのような効果をもたらすかを長期的に検証しています。
信州の山奥に、海を守るための仕組みが設けられていたことを知り、隊員たちは驚いていました。
続いて、ダムの中腹に張りめぐらされた「キャットウォーク」と呼ばれる通路へ。
ダムの内部も探検しました!
ダム湖クルーズ!
盛りだくさんだった「森の調査」。隊員たちの学習ノートから、メモの一部をご紹介します。
中部森林管理局「森の学習」について
「山の栄養が海に行くことが分かった」「川の養分が海に流れ込むことで、海の生物が大きくなるのを助けている」「山と海はつながっていないようでつながっていて、海の生き物にも良いえいきょうをあたえている!」
小渋ダム見学について
「ダムから川で海につながっている」「バイパストンネルは、すなやどろを海まで流す」「上流の土しゃが、海のすなはまを作ることが分かった」
前回の「川の調査」、今回の「森の調査」から、隊員たちは多くのことを学びました。信州の森から海へ、川が運んでいるものとして「ごみ」「森の栄養」「土砂」という3つの存在を認識しました。それらは、実際の海に、どのような影響を及ぼしているのでしょうか。次なる課題は、それを直接 見に行って確かめることです!
9月14-15日の2日間、隊員たちは、静岡県の天竜川河口周辺に出かけ、「海の調査」をおこないます。果たしてそこで、どんな冒険が待っているのか!? 引き続き、天竜川調査隊の活動にご注目ください!