1日目の長野県内での森と川の学習。2日目の新潟県上越市での海の学習経て、3日目はこれまでの学習の成果を発表する学びの場、総合学習発表会です。
活動3日目(9月26日)の会場は、塩尻総合文化センターです。海の学習から3週間と少々時間が経ったため、まずはこれまでの学習をふりかえるところから始まります。進行を務めるのは、今回のプロジェクトを総合的な目線で指導していただく公立長野大学環境ツーリズム学部の高橋大輔教授です。
上田市の浦野川での生物調査。トビケラやカゲロウ、トンボのヤゴ、アカザ…。たくさんの生き物が地元の川で生息していました。指標生物によると調べた川の水質は「ややきれい」~「ややきたない」水でした。水が汚れている結果はいいこと?悪いこと?と高橋教授が問いかけると、子供たちは「栄養が豊富にあるから、やや汚いとの結果が出た」と答えるなど、学習の成果がばっちり身についています。さらに「その栄養は、森から川を通して、海に運ばれる」と発言するこどもたちも。1か月前の活動内容がばっちり身についている様子。そして、2日目の漁船に乗って、刺し網漁の見学、漁師さんに海の現状についてのお話、命のありがたみを感じつつ魚を自らさばいておいしく頂いた「さばける塾」、上越市立水族博物館の見学や新潟県海洋水産研究所の研究員からの「今、日本海で起きている変化」などの話を受けたことを振り返りました。
学びの総まとめとして、海の恵みを届け隊が総合学習の成果として発表するテーマは「これからも美しい海を守っていくためにできることは何?」。ここからは各班ごと大学生リーダー進行のもと、まずは、自分の意見をノートにまとめ、それぞれの意見を出し合います。
3班の発表
「海岸に「ごみをすてない」と書いて看板にはる。プラスチックごみを海に出さないため、ビニール袋を使わないようにする。海にごみをすてないために、ごみをすてる袋を置いてたくさんの人にごみを拾ってもらう」
3班は、ごみを出さないという意識とごみがあったら拾う活動を促したいという前向きな意見がでました。
2班の発表
「使い捨ての物や洗剤をあまり使わず、また、移動する際には自動車をあまり使わない。」
2班は海に密接する地球規模の気象、海洋問題に着目。海水温が上昇し、魚が獲りにくくなっているという漁師さんの言葉が印象に残ったようで、海の温度を上げないために二酸化炭素を増やさない行動をしていきたいとの考えをまとめました。
1班の発表
「環境を守るためにプラスチックの使用量を減らし、CO2を出さない。また、ごみをポイ捨てしない。食害生物を減らし、藻場(もば)を人工的に増やす。」
1班は2日目の学習で講義を受けた新潟県海洋水産研究所の濱岡研究員の話が頭に残ったようで、海の森とも称される「藻場」を守り増やしたいという考えを発表しました。
こどもたちの考えを受け、高橋教授は次のようにまとめました。「海はみんなの暮らしに欠かせないもの。海を育てるのはみんなが住む内陸部の森や川とそこにいる生き物。今の海を守るのは大人たち。これからも海を守るのはこどもたち。みんなが大人になっても海を守っていってもらいたい」と熱いメッセージを隊員に送りました。
これからも様々な恵みや楽しさや資源を与えてくれる海。この先、100年200年もっともっとそれ以上、海を守っていくために、自分がやるべき行動を考えた海の恵みを届け隊の隊員たち。これまで以上に海を好きになり、海を守ろうという意識が高まりました。
意見発表の後は、学習の成果を表現するアウトプットの時間です。