長野県は海に面していませんが、海洋ごみ問題と無関係ではありません。今回、長野市立共和小学校の5年生約50人が、海洋ごみについて学ぶ特別な授業に参加しました。この授業では、人気教材「うんこドリル」とコラボレーションした海洋ごみ学習教材を使用し、子どもたちは楽しみながら海洋ごみ問題の重要性を学びました。この出前学習は海と日本プロジェクトin長野と長野市の共催事業として開催されました。
授業の中心となったのは、うんこ先生と一緒に解く海洋ごみクイズ。スクリーンに映し出された問題に、子どもたちは真剣な表情で取り組みました。
最初の問題は、海のイラストの中から、ごみで困っている生き物や人を6カ所見つけるというもの。「あっ、魚がビニール袋を食べそう!」 「ここに、網に絡まった生き物がいる!」「船にごみがひっかかっている」「海岸にごみがたくさんあってくさそう」子どもたちは次々と発見し、海洋ごみが引き起こす問題に気づいていきます。海のごみは生き物たちを苦しめていて、人間にとっても大問題になっていることを学びました。
次の問題は選択式。A.木、B.ガラス、C.プラスチック、D.金属の中から、海のごみで最も多いものを選びます。これは全員プラスチックを選択し正解。海のごみのうち約7割がプラスチックで特にペットボトルが多いという解説に、子どもたちは驚きの声を上げました。
最後の問題は、ペットボトルが自然に分解されるまでの年数を当てるもの。A.10年、B.100年、C.400年の中から選びます。「えー、そんなにかかるの?」という声が上がる中、正解のC.400年が発表されると、教室中がどよめきに包まれました。プラスチックはとても便利なものだけど、自然界ではなかなか分解されないので、使い方には気をつけないといけいうえ、粉々になると見えないごみ=マイクロプラスチックに変化すると説明を受けると「魚がごみを食べちゃうよ」とこどもたち。
クイズの後、講師が長野県と海洋ごみの関係について説明します。「長野県には海がないけど、千曲川や天竜川などの大きな川が日本海や太平洋につながっているんだ。だから、私たちが出したごみが、最終的に海に流れ着く可能性があるんだよ」この説明に、子どもたちは「へぇ~」と感心した様子。
クイズの後、子どもたちは学校周辺でのごみ拾い活動に挑戦しました。5〜6人のグループに分かれ、20分間のごみ拾いを行います。「どんな種類のごみが多かったですか?どこからごみがやってきたと思いますか?」という問いかけに、子どもたちは真剣に考え、話し合いました。この体験を通じて、子どもたちは身近な場所でのごみ問題と海洋ごみの関連性を実感しました。「海のごみを減らすためには、一人ひとりができることを考えて、実行することが大事です。身の回りのことから始めましょう。」という講師の言葉に、子どもたちは強く頷きました。授業の最後に、子どもたちは自分たちにできることを考え、発表しました。「プラスチック製品の使用を減らす」「ごみの分別をしっかりする」「家族や友達にも海洋ごみの問題を伝える」など、具体的な行動目標を立てる子どもたちの姿が見られました
ごみ拾い後児童たちは、玄関前に設置されたうんこ先生の拾い箱にごみを入れて分別してきます。拾い箱はごみ拾い専用のごみ箱のことで、海と日本プロジェクトin長野が作成。小学校では引き続き環境美化に務めたいと1か月間設置することになりました。海のない長野県から始まる海洋ごみ対策。うんこ先生の拾い箱を通じて、子どもたちの環境意識が高まり、その輪が広がっていくことが期待されています。