海と日本人の調査
日本は海洋立国で、海洋基本法の制定によって世界で唯一「海の日」を祭日にするなど、海との関係が深い国でもあります。日本財団は、2年に1度「海に関する意識調査」を実施しています。今回は、2022年7月18日に実施した海に関する意識調査から見えた、日本人の海に対する感情や認識について解説していきます。
2022年の海と日本人の調査結果
先に結論を言うと、日本人の約半数がこの1年間1度も海に行っていないことが、今回の調査で明らかになっています。ここからは、日本財団の「海に関する意識調査」から、「海に行く人」と「海に行かない人」との差について解説していきます。
この1年間で「海に行っていない」と回答したのは45%
今回の調査で、海に「親しみを感じる」と回答した人は37%で、新型コロナ感染症が猛威を振るう前の2019年と比べて、7pt減少しました。「親しみを感じる」と回答した約半数の人が、「この1年1度も海に行っていない」と回答しており、海を大切に思う気持ちが20ptほど低いことがわかりました。この1年1度も海に行っていない人は、海に行きたくないと思っているのではなく、7割以上の人が「海に行きたい」と思っています。また、子どものうちに海体験があることが大切と回答する人が、全体の7割と非常に高いですが、一方で「自分の子どもに十分な海体験を提供できていない」と8割の親が回答しています。その理由は、「海まで時間がかかる(46%)」「大人が忙しい・休みが取れない(35%)」「子どもと大人の休みがなかなか合わない(23%)」となっています。
海に行った人のほうが「海を守ることに繋がる行動」の意識が高い
SDGsの考えが広まり、海洋ごみ問題の深刻さが多くの人に知られるようになったことで、2019年と比べて海洋問題の認知度が10pt前後高まっています。「海を守ることにつながる行動」を意識して海に行った人は、2019年と比べて全体的に6pt以上となっており、「この1年海に行っていない」と回答した人より5〜8ptほど高くなっています。
まとめ
今回の調査では、新型コロナウイルスの影響で、コロナ前と比べると「外に出かける人」4割ほど減り、それに伴って海に行く人も減少していることがわかっています。子どもたちを含む多くの人々の海体験が失われており、国民すべてが海に深い関心を持つきっかけが失われつつあります。「海に囲まれた国、日本」だからこそ、海に対して深い関心を持ち、海に親しみ、そして海の恩恵によって生活をしていることを理解することが重要です。