日本各地に伝わる海の民話を題材にしたアニメの上映会とシンポジウムが開催されました。これは「海と日本プロジェクト」の一環として行われている「海ノ民話のまちプロジェクト」の取り組みの一つ。民話に込められた思いや教訓を、アニメという形で伝えていこうという意欲的な試みです。
上映会では、昨年度制作された25本の海の民話アニメが披露されました。塩尻市に伝わる「善知鳥峠(うとうとうげ)」の物語も上映され、海と山の深いつながりを伝えています。アニメの監督や声優も登場し、アフレコの実演を行いました。子ども達もアフレコに挑戦し、初めてとは思えないほどの出来映えに、会場からは大きな拍手が送られました。
翌日には、海の民話アニメを元にした公開シンポジウムが開催されました。作家や芸人、昔話学会の学者など様々な分野の専門家が登壇し、海の民話の持つ価値について議論が交わされました。 「心に響くものっていうのは必ずあると思うんです。で、それを1つでも2つでもいいのでちゃんと覚えておいていただいて、それを他の方々にもしっかりと伝えていっていただきたいなあと思っています」 と、登壇者の一人が語るように、海の民話に込められたメッセージを、いかに現代に伝えていくかが話し合われました。
海ノ民話のまちプロジェクトでは、今後も海の民話アニメの制作を進め、最終的に100本の完成をめざしているとのこと。そして地上波テレビでの放送や、世界への発信も視野に入れているそうです。昔から語り継がれてきた海の民話の魅力を、アニメという形で国内外に伝えていく、注目すべき取り組みと言えるでしょう。なお、海の民話アニメはYouTubeでも視聴可能です。ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。