今、世界中で問題となっている海洋ごみ問題。海のごみのおよそ8割は内陸部から流出していることから日本全国での取り組みが必要です。日本財団・海と日本プロジェクトは環境省と共同で、2019年から毎年、全国一斉清掃キャンペーン「春の海ごみゼロウィーク」を実施しています。そのスタートに当たり、先月末、大阪や県内で、キックオフイベントや大規模なごみ拾い活動が行われました。
大阪・なんばで5月27日に行われた「春の海ごみゼロウィーク」のキックオフイベント「コスプレde海ごみゼロ大作戦」。若い人に海洋ごみ問題を身近に感じてもらおうと、話題性のあるコスプレーヤーを集めて行われました。イベントには、環境大臣政務官や大阪市の副市長も参加。海と日本プロジェクトを推進する日本財団の海野光行常務理事は、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で活躍する人気キャラクターのコスプレで登場しました。
「ごみを拾って、海を守ろう!」の掛け声のもと、大阪市の繁華街・道頓堀周辺で行われた清掃活動。様々なキャラクターに扮したコスプレーヤー達が、熱心にごみを拾う姿をSNSに投稿し、広く拡散することで、多くの人を啓発することも狙いのひとつです。
参加者からは「たくさんの人が集まってくれて、コスプレして楽しみながらごみを拾ってくれたおかげで、大分スッキリしました。これがとっても嬉しいです。」「今後もこういうコスプレして、楽しみながらも皆さんと一緒にごみを拾いできたらなあと思っています。」「街のごみが海に伝わっていくというところがありますので、街でやっぱり最後食い止めると。その最後の砦がごみ拾いなんだというところは改めて認識したところでありますね。」という声がありました。
一方、長野県では、5月28日に諏訪湖周辺の岡谷市、諏訪市、下諏訪町の2市1町で清掃美化活動が行われました。上流県長野から海ごみゼロをめざす「ながの海ごみゼロプロジェクト」と連携した取り組みです。
このうち岡谷市では、諏訪湖周辺や河川の清掃活動に、市内の会社、団体や学校などからおよそ2500人が参加しました。新型コロナウイルスの5類移行に伴い、4年ぶりに人数制限のない開催です。地域の努力によって水質浄化が進んできた諏訪湖ですが、湖畔には、まだ多くのごみが見つかります。
湖畔では、スポーツ少年団の野球チームやガールスカウトなど、たくさんの子ども達が参加していました。地域の子ども達にとっても、諏訪湖をきれいにすることは、大きな喜びです。参加者からは「きれいになって良かったなって思った。」「また機会があれば拾いたいなと思いました。」といった声が上がりました。
久しぶりにたくさんの人が参加したごみ拾い、可燃物・不燃物などを合わせ、およそ500キログラムのごみが集まりました。天竜川を通じて、海に通じる諏訪湖の水。諏訪湖をきれいにすることは、海をきれいにすることにつながります。
岡谷市市民環境部の小口智徳さんは「こういった活動を続けていけば、諏訪湖からごみが無くなり、そして、天竜川、海のごみが無くなっていく。こういうことが続いて行けば、広く世界中のごみが無くなっていくと思いますので、引き続き皆さんに認識をいただきながら、こういった活動を続けていければ嬉しいなあと思っております。」と話しました。
海の未来を考え、行動する、大切な機会となった春の海ごみゼロウィークは、5月30日のごみゼロの日や6月5日の環境の日、6月8日の世界海洋デーという3つの記念日を含む5月27日から6月11日までがその期間。皆さんも身近な所から、ごみを減らし、その先の海をキレイにする活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。