世界中で問題になっている海洋ごみ問題の8割は、内陸部から風や川によって海に流出しています。そのため日本全国での取り組みが求められるようになったことから、日本財団 海と日本プロジェクトは環境省と共同で、毎年全国一斉に行われる「春の海ごみゼロウィーク」を実施しています。
2022年5月28日(土)には、セルリアンタワー東急ホテル・渋谷センター街・渋谷スカイにて実施され、渋谷周辺では70リットルのごみを回収しました。今回は、2022年5月に実施された「海ごみゼロウィーク」の概要と、渋谷での「コスプレde海ごみゼロ大作戦!!2022 at渋谷」、長野県・諏訪湖で実施された一斉清掃の様子をお伝えいたします。
春の海ごみゼロウィークとは?渋谷ではコスプレイベントも
「春の海ごみゼロウィーク2022」は、ごみゼロの日(5月30日)、環境の日(6月5日)、世界海洋デー(6月8日)の3つの記念日を含む、5月28日〜6月12日までの期間毎年実施されており、2022年の春の海ごみゼロウィークでははじめてとなる渋谷で、環境意識とSNS発信力が高いコスプレイヤーと共に開催されました。
渋谷センター街や道玄坂など人通りが多く散乱ごみも目立つエリアで清掃活動が行われ、ごみ袋52個分の70リットルものごみを回収しました。
長野県では諏訪湖一斉清掃が行われました
長野県では、5月29日(日)に諏訪市、岡谷市、下諏訪町と連携して、長野県最大の湖である諏訪湖の一斉清掃および美化活動を行いました。諏訪湖は長野県内31の河川が流れ込む湖で、近年では湖底からマイクロプラスチックごみが発見されるなどごみ問題への解決が急務になっています。
このうち岡谷市では約1,000名が参加し、約500kgのごみを回収しました。岡谷市の今井竜五市長も水辺に降りて、丁寧にごみを拾います。釜口水門のある岡谷市は、静岡県の遠州灘に注ぐ天竜川の源の町。海洋プラスチックごみ問題への関心も高いといいます。
今井市長コメント「諏訪湖からもマイクロプラスチックが湖底から検出されている、私たちは清掃によって取り除き、太平洋に注がないような努力を積み重ねていって、世界の環境問題に、私たちも一緒になって取り組んでいきたい」。
また、参加した市民からは「これからごみ拾いとかもしてきれいにしていかない。」「環境のためにも、未来のためにもきれいにしたい」「海ごみゼロというのは世界的テーマでございますので、その辺は意識しつつまずは身近な所からやっていきたい。」といった声が上がりました。
捨てられたごみは、風などによって川に流れ、やがて海に行き着きます。海に流れ着いたごみは自然になくなることはなく、長い期間を通して生態系に大きな影響を及ぼすことが分かっています。海ごみゼロウィークはイベントを通じて、あるいは個人でも身近なところからごみを減らして、その先の海をキレイにすることができるので、みなさんも活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。