上流県から海をキレイにをキャッチフレーズに掲げる日本財団 ながの海ごみゼロプロジェクトでは、海なし県から海洋ごみ問題を学んでもらおうと教育動画とパンフレットを作成。その教材を使った出前授業が行われました。
「諏訪湖のごみはどこへ行くの?」をテーマにした海洋ごみ問題の学習会で、諏訪湖にほど近い、下諏訪南小学校で7月2日に開催されました。下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会(湖浄連)がながの海ごみゼロプロジェクト実行委員会と連携して行う企画で、5年生およそ120人が参加しました。
講師は、湖浄連の小口智徳さんです。小口さんは、この教材の監修をした全国川ごみネットワークの理事も務めています。
学習会ではまず、泳げるほどにきれいだった諏訪湖が、一時は周囲に悪臭が漂うほどに汚れてしまったこと。しかしその後、自治体や住民の努力によって、きれいな湖が復活してきたことが紹介されました。
続いて、川や湖に捨てられるプラスチックなどのごみが、海に流出し、世界中で深刻な問題になっていることが伝えられました。子ども達は、この動画を通じて、「2050年には、海の魚の量よりプラスチックごみの量が多くなると言われていること、海に運ばれたプラスチックが細かく砕かれ、マイクロプラチックとなって、動物や人の体に入ることで、健康被害が心配されていることなどを知りました。
参加した児童からは、ごみを拾って動物の命を奪わないようにしたい。きれいにして、生き物が一杯住めるようにしたい。といった声が上がりました。
講義をした小口さんは、「湖や川や海を汚すのは簡単です。でも一度汚したものをキレイにするのはとても大変です。これからの地球を守っていくのは小学生のみなさんです。自然と仲良くすることが大切です」と参加児童に訴えかけました。
児童たちは、定期的に諏訪湖の清掃活動に参加しており、諏訪湖から、その先の天竜川、そして太平洋といった海をキレイにしていく意識が高まった授業となりました。