海と日本プロジェクトin長野の海洋ごみ削減啓発活動「ながの海ごみゼロプロジェクト」では、毎年県内の小学校で出前授業を行っています。今年は7月19日に下諏訪南小で、5,6年生合わせて130人を対象に開催されいました。講師は、ごみ問題に詳しい下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会の小口智徳さんです。ながの海ごみゼロプロジェクトが制作した海洋ごみ削減を学べる教材パンフレットをもとに授業が進みます。
講義のテーマは、『諏訪湖のごみはどこへ行くの?』
諏訪湖はかつて、とても美しい湖で、児童の祖父母が子どもころは、たくさんの人が泳ぐ風景がみられました。しかし、児童のお父さん、お母さんが子どものころの時代にはごみやアオコで環境が悪化。悪臭がただよい、「諏訪湖に近づくな」とも言われた最悪の環境の時期がありました。しかし、これではいけないと行政や地域住民が立ち上がり、環境をよくする活動を長い年月をかけて実施。最近はごみも少なくアオコも減ってきていて、トライアスロンの大会が開かれるまでになりました。
小口さんは「でも本当に大丈夫になったと思う?」と問いかけました。世界中の海でプラスチック製の網に絡まって動けなくなっている亀や細かくなったプラスチック製品を魚が食べてしまうなどの被害が世界中で起きていると動画を見ながら説明。こうしたマイクロプラスチックは諏訪湖の魚や生物でも見つかったことを報告しました。川の上流に住むわたしたちが海のことを考えて、私たちにできることとして、ごみを減らす、ごみを拾う、こうした活動を広めようと伝えました。
講義を受けた児童からは、「ごみを捨てると生き物たちが死んじゃうのが悲しくなった」「ごみなどを捨てずに再利用をしていきたい」「長野県で出たごみは長野県だけじゃなくて日本から世界中につながっているんだなということが一番印象だった」「ごみをできるだけ海に流さないようにできるだけ(ごみ拾い)ボランティアに参加したい」との意見が出ました。
また、児童から「マイクロプラスチックは回収できますか?」との質問に対し、小口さんは「目に見えないほど小さくなりすぎて回収は現実的ではない。だから捨てない。細かくなる前に拾う」のが大事と答えました。
講師の小口さんは、「諏訪湖は天竜川の源というイメージはあるが、その先には海があるということを意識できていない人が多い。実際ここから流れたごみは海に出て世界中に広がる。それを改めて認識するのがこれから大事。息の長い活動なので こどもたちに担ってもらいたいと思う。我々の活動や想いを伝えていくのが大事」と話しました。