レポート
2024.10.07

長野の高校生たちが街を変える!「スポGOMI甲子園」で75kgのごみ回収 海洋環境保護にも貢献

長野市の街中が、高校生たちの熱気と環境への思いに包まれました。2024年10月5日、長野市権堂イーストプラザ市民交流広場を舞台に「スポGOMI甲子園2024・長野県大会」が開催され、12チーム36人の高校生たちが、制限時間60分の中で競い合い、驚くべき量のごみを回収しました。この大会は単なる清掃活動ではなく、ごみ拾いをスポーツに昇華させ、環境問題への意識を高める画期的な取り組みです。参加者たちは、真剣な表情で街中を駆け回り、時に立ち止まって慎重にごみを拾い上げる姿が印象的でした。彼らの行動は、通行人の注目を集め、環境保護の大切さを街全体に伝える力強いメッセージとなりました。

※選手宣誓はボランティア部で活動する須坂東高校のメンバー

激戦を制したのは長野俊英高校「さつまいもタイム」チーム

大会は予想以上の接戦となり、参加者全員が最後まで気を抜けない展開となりました。長野俊英高校の「さつまいもタイム」チームが見事優勝を果たし、全国大会への切符を手に入れました。拾ったごみの量は10.99kgで、2位チームよりも3.5kgほど少なかったものの、ポイントの高いビン・缶、ペットボトルを集中的に拾ったことで、ポイント数をわずかに上回り僅差で長野県代表の座を勝ち取りました。今後は、12月1日に開催されるスポGOMI甲子園全国大会に出場。ごみ拾い日本一の座を目指します。

※優勝「長野俊英高校:さつまいもタイム」

「最初から優勝しようとは思っていませんでしたが、真剣にごみを拾っていたらいつの間にか沢山集めていて、だんだん楽しくなってきました」とチームリーダーの山浦さん。す。3人は、生徒会の役員で、この活動が代替わりで最後の活動です。「全国のみんなと会えることを楽しみつつ、やるからにはスポGOMI日本一を目指したい。」と意気込みます。惜しくも2位となった第一学院高校のBIGバモチームは、わずか32.5ポイント差で惜しくも優勝を逃しました。彼らは、参加チーム最重量の14.46kgのごみを拾いましたが、わずかなポイント差で頂点には届きませんでした。

さらに、大会を盛り上げたのが各チームのユニークな取り組みです。下高井農林高校は授業で使用した肥料の袋をリュックサック式のオリジナルごみ箱として活用し、環境に配慮した工夫を見せました。

また、オリジナルアイテム賞を受賞したつくば開成学園高校は、自宅で眠っていた米袋や果物の収穫かごを再利用し、ショルダーバッグやエコバッグ風にリメイクした道具で参加。彼らの創意工夫は、リサイクルの重要性を改めて参加者全員に印象づけました。

思わぬところに潜むごみの実態

参加者たちは、一見きれいに見える街中でも、意外なところにごみが潜んでいることを発見しました。特に目立ったのは、繁華街の路地裏や駐車場でした。「大人は責任をもってごみを捨ててほしい」「ポイ捨ては恥ずかしい行為だと感じてほしい」という参加者の声は、若い世代の環境意識の高さを示しています。

ある参加者は、「普段何気なく歩いている道にこんなにもごみがあるなんて驚きました。特に、タバコの吸い殻の多さには愕然としました」と語りました。また、別の高校生は「駐車場の隅や植え込みの中にペットボトルや空き缶が捨てられているのを見て、人々の意識改革の必要性を強く感じました」と述べ、環境教育の重要性を訴えました。

人目につきにくい柵の裏側に隠すように捨てられたごみの存在は、ポイ捨ての悪質さを浮き彫りにしました。この発見は、参加者たちに街の美化と環境保護の重要性を再認識させる機会となりました。同時に、日常生活の中で気づかないうちに蓄積されていくごみの問題に、改めて目を向けるきっかけとなったのです。

大会を通じて集められたごみの総量は75kgにも及びました。この数字は、一見清潔に見える街中にも、予想以上のごみが存在することを如実に示しています。参加した高校生たちは、この経験を通じて環境問題の深刻さを肌で感じ、日常生活での意識改革の必要性を強く認識したようです。

※優勝、2位、3位、オリジナルアイテム賞のメンバー

海なし県から発信する海洋ごみ対策

長野県は海に面していませんが、この大会は海洋ごみ問題とも深く関連しています。実は、海洋ごみの7~8割は内陸部から流出していると言われていて、長野県での取り組みが、直接海洋環境の保護につながるのです。

「スポGOMI甲子園」は、日本財団の「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環として開催されています。この活動を通じて、高校生たちは自分たちの行動が海洋環境に与える影響を学び、環境問題を「自分ごと」として捉える機会を得ています。上流県である長野から、海洋ごみ削減に向けた意識と行動が広がっていくことが期待されます。

歴代優勝校

2019年/日本ウェルネス長野・2020年/長野日大・2021年/阿南・2022年/松代・2023年/松代

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