スキーにキャンプ、登山。長野県のイメージは?と聞かれたらそう答える人は多いでしょう。自然豊かな山々に囲まれた山国信州がその昔、海だったと言われたら、それ本当ですか?と疑問に思う人がほとんどのはず。長野県と海のつながりについて、興味深い展示をしている松本市四賀化石館に話を伺いに行ってきました。案内してくれたのは、松本市立博物館分館 四賀化石館の学芸員の小林俊さんです。館内の外には何やら海、そして、クジラとクラゲのデザインがこれも気になります。館内に入って驚くのは、大きな化石の展示。実はこれ「シガマッコウクジラ」と名付けられたクジラの化石なんです。これが発見されたのが、海から遠く遠く離れた ここ松本市四賀なんです。どうして信州の山の中からクジラの化石が見つかったのでしょうか?それは今から、1300万年前は、今のような海の囲まれた日本列島のような陸地にはなっていませんでした。
(館内展示のイラストより参照)
今の太平洋と日本海がつながる海があったのです。これをフォッサマグナの海と言います。、その後、長い時間をかけて海底に砂や泥がたまっていき地層が形成されました。この地層が長い年月をかけて隆起し海の部分が陸となっていきました。なのでフォッサマグナの海は、消えたものの、そこが海だった証拠として、クジラの化石が見つかったのです。
1986年(昭和61年)10月、近くを流れる保福寺川で釣りをしていた小学5年生の少年が偶然動物の歯の化石を発見。その時は何の化石化は全く分からなかったのですが、信州大学の教授などが中心となり掘り起こし、詳しく調査したところ、それが全身が残るものとしては、世界で2例目となる「マッコウクジラ」の化石であることがわかりました。現存するマッコウクジラの化石としては世界最古の貴重な貴重な化石だったのです。(館内では現生のミンククジラの全身骨格と比較展示されている)
学芸員の小林さんは、「シガマッコウクジラは上下に生えている立派な歯が特徴。アシカやトドと食べていた肉食動物だった。長野県がその昔、海だったと小学生に説明するとみんなとても驚きます。」と話してくれました。松本市四賀エリアには、シガマッコウクジラとは別に、1936年(昭和11年)に発見された「穴沢のクジラ化石」が現地保存されているものを見学することができます。松本市四賀で発見されたクジラの化石の数々。ここ山国信州がかつて海だったという太古のロマンを感じに訪れてみてはいかがでしょうか?
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