長野県在住の小学5-6年生で結成された「信州サバ調査隊」!
結団式を終え、隊員たちが訪れたのは、飯山市のなべくら高原・森の家。なべくら高原には、美しいブナの森が広がっています。春の新緑や秋の紅葉など、四季によって様々な表情を見せてくれる森は、癒しや安らぎを与えてくれます。森林セラピーや食体験、各種アクティビティを通して、信州の大自然に触れることができます。いわば森の博士から今回は、森と川と海の深い関わりについての特別講義と体験をしてもらいます。
講師は森の家の小林知規さん。児童からはさっそく「博士」という愛称で呼ばれていました。フィールドワークに出る前に座学の時間。テーマは水の循環です。
雲が雨になって地上に森がその水をため込んで川に水が流れる⇒その水が海に流れる⇒海の水が蒸発し、雲が発生。⇒そして雨が降る。という繰り返しによって「水の循環」が行われることを教えてもらいました。さらに森はため込んだ水を川にながしているだけではありません。
ということで、ブナの原生林が残るなべくら高原の森の中へ調査に向かいます。
調査隊は、スコップをもって森の地面を掘っていきます。
そして掘り起こした土の塊にペットボトルの水をかけていきます。これは雨が降った時の土壌がどのように水をためるかの実験です。
海と森の間には密接な関係があります。森は落ち葉や枯れ木に覆われています。落ち葉や枯れ木は、虫や微生物によって分解され、養分をたくさん含んだ「腐葉土」と呼ばれる土になります。いわゆる栄養のある土のことですね。雨や雪解け水はこの腐葉土にしみ込み、長い時間をかけて流れ出します。その時、腐葉土に含まれているリンや窒素などの養分も一緒に溶け出します。養分、いわゆる栄養を含んだ森の水は、やがて川となって、海に向かって流れていきます。こうして森から海に運ばれた養分は海の中の植物プランクトンを育み、貝や魚などが生息する豊かな海を作るのです。という説明を受けた児童たち。森の保水力に驚いた様子。
その後向かったのは、ブナの木がどのくらい保水力があるかが分かる場所。ここは雨が1週間ふらなくても土がずっと湿っている場所。実際に触ってみることで、山が雨の水を蓄えていることがわかります。
「森の力ってすごいな」と子供たち。山国信州から遠く離れた海とのつながりを感じる学習となりました。
森の学習をした児童たち。午後は川と海のつながり学習です。