信州サバ調査隊!調査2日目は1泊2日で福井県小浜市に出向き海洋学習。
新幹線、特急、専用バスを乗り継ぎ向かった先は、福井県立大学海洋生物震源臨海研究センター。
魚にまつわるさまざまな研究が行われている場所です。魚の病気はどうして起きるのか、また、どんなエサを与えたら元気に育つのかなど海洋生物の成長や行動の解析などを行っています。講師は、福井県立大学海洋生物震源臨海研究センター長の富永修教授です。サバについての研究を続けているいわば”サバ博士”です。
まずはサバについての説明がありました。サバは九州から日本海、北海道まで最適な海水温を求めて1年中移動していて、1年間で20㎝も大きくなります。福井県は、その昔から「若狭のサバ」として有名であり、京の都まで歩いて届けられた鯖街道は日本遺産にも登録されています。
そんなサバの産地である小浜市に変化が起きました。昔は「海から湧き出るほど」獲れたと称された小浜のサバですが、その漁獲量が大きく減りました。福井県におけるサバの1970年代の年間漁獲量は最大1万3000トンあったが、1995年以降、500トン以下に減少し、近年では200トン以下となっています(参照:福井県水産試験場HP)。つまり、獲れた時代から85%も減少してしまいました。減少の理由は➀魚の生態の変化 ➁巻き網漁の衰退 ➂隣国も含めた獲りすぎ(乱獲)④地球温暖化による海水温の上昇などが考えられると説明がありました。
どこで、サバのまち小浜はサバを復活させようとするプロジェクトを開始。養殖して小浜のサバの食文化を後世に残していこうという取り組みです。ということで、サバの赤ちゃんを育てている大学の隣の施設の福井県栽培漁業センターを見学しました。ここからは、矢野 由晶所長に案内してもらいました。
大きな水槽の中に養殖で育てられたサバが元気よく泳いでいました。ある程度に成長するとここから漁港にある養殖場に運び、海で育てます。小浜の養殖サバは、エサに酒粕をつかうことから、「よっぱらいサバ」と名付けられました。菌もつかないことから、刺身でも食べられるサバです。街の飲食店やホテル・旅館で提供さて、お客さんからもおいしいと評判です。
見学した子供たちは、「サバの成長の変化を見ることができた」「サバは海水温の変化に敏感なので暮らしやすい海にしていかなければならないと思った」「エサに酒粕をつかっているのはおもしろい」といった感想がでました。普段食べているサバを目にした子供たち。また、その食文化を守っていこうとする研究現場を見学する貴重な体験となりました。