長野県岡谷市で6月13日に開催されたプールの安全管理講習会。本格的な水泳シーズンを前に、学校や自治体、スイミングクラブの関係者ら50人余りが参加しました。プール事故を未然に防ぐという重要な目的のもと、参加者たちは真剣な表情で講習に臨んでいました。果たして、彼らはどのような技術を学び、どんな思いを抱いたのでしょうか。
講習会では、グループに分かれて実技を行いました。まず参加者たちは、浮き輪などの救命用具の使い方を学びました。驚くべきことに、3分の1ほど水を入れたペットボトルも浮き具の代わりになるそうです。
続いて、溺れた人を見つけたときの救助法を学びました。「一人で救助しようとせず、発見したことを即座に周囲に伝え、複数人で救助することが大事です」と講師は強調しました。おぼれている人はパニックになりやすく、巻き込み事故を防ぐためだそうです。
参加者たちは、溺れた人の脇に腕を入れて仰向けにし、後ろ向きに岸に向かう方法を実践。真剣な表情で互いに助け合う姿が印象的でした。
日本財団が今年実施した水難事故についての大規模な意識調査によると、溺れる経験は12歳までの幼少期に多いことが分かりました。また、小学校の水泳の授業は多くがクラス担任によって行われており、安全面に不安を感じている先生も多いそうです。
この調査結果は、今回の安全講習会の重要性を裏付けるものとなりました。参加者は、「講習会で自分自身が自信を持って安全管理に取り組めることが一番です」と語り、講習会が教師自身の自信につながることを強調しました。さらに、「救命の方法を教えていただいたので、すごく安心できます」と続け、具体的な救命技術を学べたことへの安堵感を表現しました。また、別の教諭は「子供の命を預かっているので、引き締まる思いがあります」と述べ、講習会を通じて改めて自身の責任の重さを実感した様子がうかがえました。
日本スポーツ施設協会水泳プール部会の専門員、山北修次さんは講習会の意義についてこう語ります。「海がない長野県の子供にとってプールは水と親しむ場所。安全を管理する大人は事故事例や救助の知識を身に着けておくこと」と強調し、さらに「子どもたちが水の中で、安心して遊べるか考えながら管理すると事故が減るのではないか」と付け加えました。
川や海で水遊びが増えるこの時期、子供たちが安全に泳ぎを学び、水辺で命を守る方法を身につけていくこと。それは、彼らの未来を守ることにもつながるのです。この講習会は、そんな大切な役割を担っています。