こどもたちに海に関わる仕事を体験してもらうイベント「海のお仕事プロジェクト こどもわーく」が長野市で開催されました。テーマは「おとうふづくり体験を通して海の大切さを学ぼう」です。
豆腐と海の関係は?
お仕事を教えてくれるのは、長野市でお豆腐を作って30年、八光食品工業の八田さん。体験に参加したのは、小学5年生と1年生の小松君兄弟、そして1年生の清水さん。まずは八田さんから動画を交えながら豆腐作りの工程を紹介。豆腐作りの材料が、大豆・お水・にがりの3種類と伝えると、子供たちからは「ええーっ」と意外な声が。続いて、聞き慣れない「にがり」について、八田さんから説明を受けます。「にがりは海水から塩を取り出すときに出来る液体です」「大豆のタンパク質を、仲良くつなげる役割を果たす学級長みたいな存在です」笑いを交えながら進む講義で、だんだんと豆腐と海の関係が見えてきました。お豆腐作りにチャレンジ
講義のあとは、実際に豆腐づくりにチャレンジ。この日は八光食品さんで搾りたての豆乳を使いました。まずは豆乳を75度まで熱します。この温度は原料になる大豆や、後ほど加えるにがりの特長によって微妙に変化するそうで、繊細な仕事の一面が伺えます。子供たちも75度の目盛りを凝視して真剣に加熱。過熱が終わると直ぐににがりを加えます。にがりも一度に入れず分量の半分づつ、2回に分けて、ムラをなくします。材料はシンプルだからこそ、繊細な工程でおいしさを引き出していきます。
おいしい豆腐を食べ続けるためには?
豆腐が固まるまでの時間、八田さんからはおいしい豆腐作りの秘訣を紹介。材料がシンプルだからこそ奥が深い豆腐作り。大豆の性格に合わせて、使用するにがりの種類、そして濃度を変えていくそうで、にがりの品質はそのまま商品の品質に直結します。子供たちも、ここで豆腐と海の関係を再確認。八田さんの「美味しいお豆腐を食べるために大切なことは?」の問いには、みんなから「海をきれいにすること」、「海の大切さをみんなで知っていくこと」という言葉が出てきました。
お豆腐を頂きます!
しっかり固まったお豆腐を器に移すとみんなから歓声が。自分たちで作った豆腐を頂きます。普段は豆腐だけで食べることは無いお子さんがモリモリ食べる姿を見て親御さんはびっくり。自分で作った豆腐、おいしさも倍増です。八田さんからにがりの原液を改めて見せてもらい、参加最年長の男の子が少量なめてみると…とっても苦かったようで、「なぜ豆腐は苦くならないの?」と素朴な疑問が。実はそこにはにがりの成分に秘密があるようです。新たな学びの可能性を残してたイベントとなりました。