レポート
2024.03.28

日本一標高の高い水族館で飼育員さんのお仕事にチャレンジ

「日本一標高の高い水族館で飼育員さんのお仕事にチャレンジ!」と題したイベント・海のお仕事体験プロジェクト こどもわーくが長野県茅野市の蓼科アミューズメント水族館で開催されました。(3月26日) 

集合写真

このプログラムは、水族館の飼育員体験を通して、生き物を扱うことの難しさや責任を学び、海や自然の偉大さ、大切さに気づくことを目的として実施しました。蓼科アミューズメント水族館は標高約1700mの場所にあり、日本一標高の高い場所にある水族館として有名です。この水族館で大切にしているのは徹底した衛生管理。生き物を扱う上での基本となる衛生管理を体験することで、飼育員としての責任感、生き物の環境作りの難しさ、奥深さを強く感じてもらいたいというプログラムです。手洗いの様子①

飼育員のおしごととは

お仕事を教えてくれるのは、ベテラン飼育員の門間さん。体験に参加したのは、小学校高学年を中心とした10名の子どもたちです。今日は飼育員さんのお仕事の中でも大切な「餌やり」「清掃」を体験します。

みんなで元気よく自己紹介をしてバックヤードに移動。まず見学したのは「調餌」の様子。調餌室は生き物たちの食べ物を作る部屋、いわばキッチンです。手際よく複数の魚を捌いていく様子に引き込まれていく子どもたち。

調餌の様子

ホッケやアジ、ワカサギが大小さまざまにカットされ、それぞれどの生き物の餌になるのか、門間さんから説明をしてもらいます。魚の口の大きさや歯があるかないかで餌の大きさを変えるそうで、細かい配慮が必要な作業に子どもたちの緊張感も高まります。調餌の後は、いよいよ餌やり。その前に、飼育員さんにとって一番大事な「手洗い」をみんなで行います。

水槽清掃①

飼育員さんの基本「手洗い」

実際に生き物に触れる前に、「手洗い」を教えてもらいます。

普段何気なくやっている手洗いですが、生き物に直接触れる水族館ではとても大切な行動で、1回あたり3分以上かけて入念に行う作業です。

生き物に余計な菌を与えないために、手の清潔を保つことは飼育員としての最低限の責任だと話してくれた門間さん。1日に何回も手洗いすることもあるそうで、一番辛いのは真冬の冷たい水で手洗いをするとき。

それでも手洗いには手を抜くことはないと言い切る門間さん。重みのある言葉に、子どもたちも生き物の命を預かるとはどんなことなのか、理解を深めた様子でした。

水槽清掃④

餌やりを体験してみよう

今回は大型淡水魚の「ジャウー」にアジを与えてみます。水槽の上に上がって見る魚は、水槽越しでみるよりも迫力があります。餌を見せると急に動きが激しくなるジャウー。食いつき方も激しく、勢いよく餌に飛びつく姿に、子どもたちは圧倒されている様子でした。

水槽清掃③

 水槽の掃除

餌やりを終えたら、次は水槽の掃除を行います。特別に、他の来場者にもお仕事の様子を見てもらいながら清掃ができるオープンエリアの水槽を担当します。水槽の水の中に触れるため、再度手洗いを入念に行ってから作業スタート。どんな時でも基本を徹底する門間さんの姿勢から、子どもたちもしっかりと生き物に向き合う心構えを学んでいきます。

水槽の掃除は基本手作業。水槽の上から手を伸ばしてブラシでこするため、大小さまざまある水族館の水槽を全てキレイに保つのはとても大変な作業。

ベテランになると、掃除の作業中でも泳ぎ方やブラシからの逃げ方など魚のさまざまな様子を観察して、早めに異変を察知できるそう。清掃の中にも様々な作業があることを学びました。水槽前②

 生き物を守ること

お仕事を終えた子どもたちからは。生き物を扱う責任感と、生き物が生息するための環境作りの難しさを感じたと感想が出てきました。作業の大変さから責任感を、衛生管理の徹底から環境づくりの難しさを感じてもらえました。

生き物が生きていくための環境はとてもデリケートで、自然と同じ状況を人工でつくるのはとても難しいことです。今回の学びは、私たちが多くの恩恵を得ている海の環境にも思いを馳せることにつながり、その環境を上流県長野から守っていくためには何ができるかを考えるきっかけにもなりました。

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