豊かで美しい海を未来へ…。熱い想いを持ち、社会を変えるムーブメントの源となる人材を海と日本プロジェクトでは、熱源と呼んでいます。「熱源プロジェクト」は全国の熱源のみなさんを繋げることで社会を変える大きな力を生み出すことを目指しています。全国47都道府県から熱源人材が続々と集まる中、長野県からは、ごみ拾い活動に情熱を燃やす高校3年生が長野県の熱源人材第1号に認定されました。
その口調は、穏やかで誠実。ひとつひとつの言葉は、ロジカルなうえ力強い。落ち着きを見せる高校3年生の17歳。現在、県立長野高校に通う北村優斗さん。伝統ある長野高校の第73期生徒会長。その活動は、非常にアグレッシブ。生徒会のほかにいくつかの学生団体を立ち上げ代表を務めている。北村さんが心から愛する活動…それはごみ拾い。「ゴミ拾いを通して友達を増やしたい。」「ゴミと共存できる世界を創りたい」との願いから全国の学生と共に海洋プラスチックごみ問題にアタックしています。
ごみ拾いに目覚めたのは高校2年生の6月。幼いころ東京暮らしで、大好きな場所だった神奈川県の江の島に久々にでかけたところ衝撃の光景を目にしました。
「江の島がプラスチックごみだらけになっていた。大好きだった海、大好きだった江の島が汚れていく…。そこで、海なし県・信州から何かできることはないかと考え、始めたのがごみ拾いです」
思いついたら即行動。まずは、家から学校までの通学路でゴミ拾いを始めました。すると徐々にその魅力に取りつかれていきます。また、学生団体を次々と立ち上げ、仲間を増やしていきます。
北村さんが通う長野高校は、去年6月、長野県軽井沢町で開催されたG20エネルギー・環境関係閣僚会合で北村さんの先輩たちが、海洋プラスチックごみ対策について、各国閣僚を前にスピーチ。その姿に刺激を受け、北村さんは、学生主体の環境サミットの開催を考えます。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月に予定していたイベントは中止。しかし、自粛期間中、北村さんにある思いが生まれます。「自分の人生のミッションはつまらないをワクワクに変えること。」通常はつまらないとされるごみ拾いを楽しくできる方法はないかと考えます。「友人たちにごみ拾いの活動を伝える中で、環境問題は難しいと考える人が多かった。なので、もっと楽しく環境問題を自分事としてとらえることはできないかと考え実施したのが”清走中~Run for trash~長野市街地編”というゴミ拾いイベントです。」
人気テレビ番組を参考に、ごみ拾いと鬼ごっこを掛け合わせたイベントを7月に開催しました。
youtubeチャンネル 「水好き田舎大学生しき#誰得水風景」より
コロナ禍で見つめ直したごみ拾いへの想い
「コロナ禍で休校が続きだった際、同年代の東京の学生たちとオンラインでさまざまな意見を交わす中、自分がやるべきこと、やりたいことは何かを考える時間が生まれました。環境サミットといった堅苦しさをなくし、楽しく、ワクワクしながらたくさんの人とごみ拾いをするイベントに方向転換しました。」楽しさに環境問題を掛け合わせた”清走中”は大成功。地域住民や小学生など100人が参加し40kgのごみを集めました。
高校生ごみ拾い活動家が見つめるミライ
現在、受験勉強中の北村さん。大学で学びたい内容が明確です。「大学でも楽しくごみ拾いをする活動をしていくのはもちろん、人間がごみを捨ててしまう心理学や行動学を学びたいと思います。」
受験が終わるまでは、ごみ拾いイベント活動はいったん休止中。それでも「早く受験が終わってごみ拾いを思い切りやりたいな」と笑顔で話します。海のごみ問題をきっかけに海なし県・長野から海と人とをつなぎます。
最後に聞いた”あなたにとって海とは?”
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