レポート
2024.07.11

田んぼの生き物大発見!子どもたちが水の循環を体感

松本市で行われた「いきものみっけファームin松本」の第2回イベントで、子どもたちが田んぼの生き物観察に挑戦しました。カエルやヤゴ、コオイムシなど、様々な生き物との出会いに、参加者たちは目を輝かせていました。この取り組みは、子どもたちに食と農業、環境について学んでもらうプロジェクトの一環です。今回は、田植えから約8週間が経過した田んぼで、どんな発見があったのでしょうか。

田んぼが生き物のパラダイスに

7月6日、曇り空の下、園児から小学生までの親子約60人が参加して自然観察イベントが開催されました。参加者たちは、田んぼの水面や土を網ですくい、バケツに入れて観察します。そこには、カエルやヤゴ、コオイムシ、カミキリムシなど、様々な生き物たちが姿を現しました。

子どもたちは大はしゃぎで、それぞれが見つけた生き物を見せ合います。「大きなカエルをつかまえた」と喜ぶ声や、「生き物観察はたのしい」という感想が聞こえてきました。普段の学校では体験できない貴重な機会に、子どもたちの好奇心は大いに刺激されたようです。

「豊かな水」が育む生態系

観察後、子どもたちは生物の詳しい解説を聞きました。中でも印象的だったのは、水の循環と生き物の関係についての話です。松本大学専任講師の中澤朋代さんは、「きれいな水に生き物がたくさんいるわけではなくて、実は豊かな水に生き物がいる」と説明しました。一見汚れているように見える田んぼの水は、実は栄養豊富な「豊かな水」なのです。そこには様々な生き物の成分が含まれており、多様な生態系を支えています。ある子どもは「これだけいきものがいるということは、きれいな水があるということがわかった」と感想を述べ、新たな発見に目を輝かせていました。

田んぼから海へ、つながる水の物語

このプロジェクトは、単なる自然観察にとどまりません。中澤さんは子どもたちに、田んぼの水が川を通じて日本海へと流れていく様子を説明しました。「海に流れていって、またそれが蒸発して雲になって、雨がザーって山に降って流れてきて」と、水の大きな循環の中に私たちの暮らしがあることを伝えます。

この取り組みは、5月の田植えから始まり、9月の稲刈り、11月のお米の流通体験と販売会まで続きます。子どもたちは、食べ物が食卓に届くまでの過程を、自然環境や生態系とのつながりの中で学んでいきます。

「いきものみっけファームin松本」は、子どもたちに食と農業、環境の大切さを体験を通じて伝える貴重な機会となっています。田んぼという身近な場所から、水の循環、生態系、そして私たちの暮らしまでを考える。この体験が、未来の環境保護につながることを、関係者たちは願っています。

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