レポート
2024.05.23

いきものみっけファームin松本 水の循環を考えオリジナル米作り

松本市で、子供たちに食と農業、環境について学んでもらう「いきものみっけファームin松本」プロジェクトの田植えイベントが行われました。このプロジェクトは、中島屋降幡米穀(松本市)や松本市などで作る推進協議会が主催し、今年からは、海と日本プロジェクトin長野と連携。水の循環をテーマに循環型農業を子供たちに体験してもらうことで、食や農業と環境、その先の海との関わりを学ぶ機会を目的に開催されました。

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 泥の感触を肌で感じながら田植え
イベント当日は、松本市内の園児から小学生までの親子約100人が参加。青空の下、子供たちは裸足で田んぼに入り、水や泥の感触を肌で感じながら、コシヒカリの苗を1本1本、手作業で植えていきました。「どろどろの泥の感触が気持ちいい!」「お米を育てるってこういうことなんだね」。子供たちからは、驚きと発見の声があがります。

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 海の水が巡る「水の循環」を学ぶ
田植えの前には、「水の循環」について学ぶ時間も設けられました。海の水が蒸発し雲となり山に雨が降ってしみこみ、川となって水田へとつながっていく。そんな水の循環を説明を通して学んだあと、いよいよ自分たちで田植えです。子供たちは、目の前の田んぼと、遠く離れた海のつながりを、体験を通して実感したのかもしれません。

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 生き物観察や収穫・販売まで、1年かけて体験
「いきものみっけファームin松本」では、田植えだけでなく、1年を通して自然環境について学んでいきます。参加者は今後、11月までに田んぼの生き物の観察会や、稲刈り、精米、販売までを体験する予定です。多様な生き物が育まれる田んぼの環境、農作物が食卓に届くまでの流れを、実際の作業を通して学ぶことができるのが、このプロジェクトの大きな特徴です。

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身近な自然から海へ、つながりを感じる
今回のイベントは、「海と日本プロジェクトin長野」との連携事業としても実施されました。長野県は海がない県ですが、森や川を通して、生態系のつながりの中で海とつながっています。その”つながり”を、身近な田んぼや農作物を通して感じてもらうことで、子供たちの海への親しみを高めるのが狙いです。収穫した米は、海と日本プロジェクトのオリジナルパッケージとして販売される予定で、子供たちが育てた米が、未来の海や長野県の自然環境を支える一助となる。そんなメッセージ性も込められています。

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体験から学び、未来の自然環境を支える
「いきものみっけファームin松本」は、松本大学とも連携し、自然環境の専門家が子供たちを指導するという場を作っています。田植えをして生き物を観察し、収穫を喜び、食卓とのつながりを感じる。子供たちがそんな原体験を重ねることが、未来の自然環境を支え、守ることにつながっていく。「いきものみっけファームin松本」の取り組みは、そんな思いが込められているのかもしれません。

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