信州イカ調査隊の最終3日目の朝は、体操からスタート。宿は、能登恋路海岸沿いのためホテルの庭からは絶景が。朝ごはんもたくさん食べて元気いっぱい最終日の活動に臨みます。向かった先は能登町の小木漁港。ここは北海道函館港、青森県八戸港と並ぶ日本三大スルメイカの水揚げ量を誇る港です。長野県にはない漁港という施設がどのような役割を持つ場所なのか、また、スルメイカの漁獲方法について学びます。
まず児童たちに見せてくれたのは箱詰めされたカチカチに凍ったスルメイカ。その特徴は、一匹ごと、船で凍らせる手法を取っています。海から釣って30分以内に船の中で冷凍。これにより、新鮮さが保たれ、解凍すれば刺身でも食べられるほど。「釘を打てるほど固い」「一匹ずつキレイに箱詰めされている」など驚いた様子の児童たち。加えて、スルメイカ漁の昔と今の撮り方の違いを教えてもらいました。イカ釣り漁は主に暗い夜から朝にかけて行われ漁火の光に集まる習性があります。イカ釣り漁船につけられた大きな電球をみせてもらいました。家庭用の100倍以上の電球がいくつも船にあり、おびき出していることなど技術の進化を目の当たりにしました。
その後、児童らは港に接岸された小型イカ釣り漁船に乗せてもらいました。かつては、人が竿を使って釣っていましたが、今では魚群探知機を使い、イカ釣り自動ロボットを使っていると聞いて驚いた様子。
見学後、講師を務めた石川県漁協小木支所の坂東博一さんからは、「20年前と比べてスルメイカの漁獲量は10分の1以下に減少。価格は5倍以上になってしまい、安くておいしいスルメイカが最近は高級なものになってしまった。海に変化が起こっていて、海水温が影響しているかもしれない。」と説明がありました。
その後、船凍イカを保管する保冷庫を特別に見学させてもらいました。この日の外の気温は30℃。一方、保冷庫の中はマイナス29℃。中に入るとすぐに「寒い、寒い」と大騒ぎ。こうした冷凍技術の進化により、おいしいスルメイカを全国各地で食べられることを実をもって知った児童たちでした。