信州イカ調査隊の2日目。メンバーは富山県から石川県へ。向かった先は江戸時代創業の老舗食品加工メーカーのスギヨ。長野県民にとってはソウルフードであるビタミンちくわの製造工場で、1日に30万本製造されるうちの約7割が長野県に出荷されています。ビタミンちくわLOVEな長野県民ですのが、その歴史をさかのぼると海と石川と長野の深いストーリーがありました。
講師はスギヨ広報の水越優美さん。テーマは「ビタミンちくわの謎にせまる~長野県とどんなつながりがあるか~」です。まずはビタミンちくわを食べたことがある人?との質問に対し、児童の約8割ほどが手をあげました。中には週に1回は食卓にでると答えた児童も。おでんの具やちくわの中にチーズやキュウリをいれて良く食べるとの回答も。
そもそもこのちくわの原料はかつては漁師の網を破る厄介者で捨てられていた魚、アブラツノザメで、これをすり身にするとおいしいことがわかりました(現在はスケトウダラが主な原料)。さらに肝油からはビタミンが豊富にとれたことから、それを練り込み商品化。輸送や保冷の技術が今ほど発達していない時代、海の幸を使った食品は長野県民に大変重宝されました。さらに戦後、栄養が不足していた長野県民に対し、ビタミン入りちくわを海の幸として売り出したところ大ヒット。これが、今でも受け継がれちくわといったらビタミンちくわとして今も愛されている理由です。またちくわを運ぶ際には箱に塩と一緒に運ばれ、この塩も山国信州ではありがたい品だったようです。
長野県での大ヒットの理由を知った児童らは製造工場を見学。原料のアブラツノザメ、スケトウダラの標本に興味津々。
見学後は、児童全員にちくわがふるまわれました。ちくわは普段は冷蔵食品のため、冷たいイメージがあったようで、焼きたて熱々のちくわは大盛況。おいしい、おいしいと何本もおかわりする児童も。ちくわひとつにたくさんの歴史とストーリーが込められていることを学びました。信州イカ調査隊では、スギヨさんと地元のたこ焼き、たい焼き店の焼きたて屋さんとコラボしたオリジナルたい焼きを10月に発売する予定です。このビタミンちくわがどのようにたい焼きになるのか楽しみです。