まだ薄暗い富山県氷見市の港。一隻の船が午前4時に出航しました。海と日本プロジェクトin長野の信州ブリ調査隊を乗せて向かった先は、富山湾で行われている定置網漁。漁師さんが実際にどのように魚をとっているかを間近で見学します。出港から15分ほどで、小型の定置網に到着。まわりもだんだんと明るくなってきました。冬のブリ漁で知られる富山湾の定置網漁は、越中式と呼ばれ約400年の伝統があります。定置網漁は、海に固定された網の中に魚を誘い込み、その一部を捕る漁法で、乱獲が起きにくいことなどから、環境に優しい持続可能な漁法と言われています。海外からも注目が集まり、東南アジアの国に漁法が伝わっています。船が網を追い込んでいき、網に入った魚群の引き上げが始まりました。真夏のこの時期、この網には、「こぞくら」と呼ばれるブリの幼魚が数多く入ります。次々に引き上げられる魚たちに、海無し県の子ども達は興味津々。真剣な表情で、漁師さんの作業を見守りました。「魚があがってくるところを見ているとなんだかワクワクしてきて面白かった。」「いつも漁師さんがこんなことをしているんんだなとやっていることが分かった。」といった感想がありました。海の広さ、波の音、船から見た景色。山国信州のこどもたちにとってはかけがえのない経験となりました。