信州ブリ調査隊の初日の午後は、川の調査です。長野県は日本一の大河、信濃川(千曲川)の源流があり、その水は、日本海へと注がれます。上流の森、川が海にどのような影響を与えるかについて指導するのは、信州大学理学部特任教授の藤山静雄先生と公園のサポートスタッフです。藤山先生からは、「川はただ水が流れ、海に注がれているわけではない。栄養を含んだ水がいずれは海へ流れる。川はいいものも悪いものも下流へと注がれる」と前置きした後、「川の中には生き物がいて、周りには、草や木が生えている。上流にどんな生き物がいるかによってその川の水がきれいで豊かであるかがわかる。」と話がありました。調査隊は、公園内の清流に行き、指標となる水生生物を捕まえて、川の水がどのような状態化を調査します。川に足をいれると「冷たい。」「気持ちいい。」と子供たち。網を手に持ち石の裏などにいる生物を捕まえます。この川は乳川、犀川、千曲川、信濃川、そして日本海へと注ぐいわばスタート地点。こどもたちは、川の周囲の様子や川底の様子を観察。するとカワゲラやカゲロウの幼虫、カジカやイワナといった魚たちがいて、とてもきれいな水であることが分かりました。
藤山先生は「上流によい環境がないと、下流によい環境は生まれない。海は遥か遠い場所にあっても、森や川を守っていくことは、海を守ることにつながるんだよ」と話しました。信州ブリ調査隊の初日の活動を森と川で実施したメンバーたち。次はいよいよ海の学習。富山県に出向き、ブリの生態や漁師のお仕事、今海が抱える問題について調査します。