このたび、長野県大町市の民話「泉小太郎伝説」が海の民話として選ばれました。9月2日(金)に大町市役所にて認定証授与式があり、牛越市長に認定証が贈呈されました。
一般社団法人 日本昔ばなし協会が推進する「海ノ民話のまちプロジェクト」は、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環として実施するもので、海と深く関わりを持つ日本という国の「海との関わり」と「地域の誇り」を、子供たちに伝え語り継ぐことを目的とし、2018年に発足したプロジェクトです。本プロジェクトでは、日本中に残された海にまつわる民話を発掘し、その民話のストーリーとその民話に込められた「思い」「警鐘」「教訓」を、親しみやすいアニメ等の映像表現で、次の世代を担う子供たちへ、そして、さらに次の世代へと語り継いでいます。
今回は全国から15の市町村が「海ノ民話のまち」として認定され、海なし県である長野県からは大町市が認定を受けました。
「泉小太郎伝説」は大町市でも広く親しまれている民話で、湖を人の住める里とするため、小太郎が母親である犀龍と共に湖の水を流して平地とし、日本海へ至る川筋(犀川)を作ったという内容です。映像化は今年11月中旬ごろ、5分程度のアニメーションとして完成され、小学校での教材などに活用されるほか、コラボ商品の開発なども予定されています。
<大町市 牛越市長のコメント>
この度は、海ノ民話のまちプロジェクトの対象として、全国15のエリアの一つに大町市の「泉小太郎伝説」を認定いただき、心から御礼申し上げます。
この大町市は、古くから伝わる民話の宝庫であり、それらを収集して民話の本として記録に残すとともに、市内各地で次代を担う子供たちや大人のために、地域の文化を語り継ぐ市民活動が盛んにおこなわれております。この「泉小太郎伝説」は長野県民の皆様にとっても、馴染みの深い伝説です。
長野県に海はありませんが、この雄大な北アルプスの麓、大町で生まれた豊かな水が高瀬川、そして犀川へと流れ大地を潤し日本海へと続いております。そして、豊富な森で育てられたミネラルや栄養が海へと運ばれ、魚を育て、漁場や環境に大きな恵みを与えていることを考えますと、やはりこの「泉小太郎伝説」の民話と重なり、遠くの海に思いをはせる、そんなきっかけになるのではないかと期待をしております。
この「泉小太郎伝説」もアニメを通して、大町の子供たちが地域のこと、あるいは水の大切さ、あるいは海に繋がっている川の役割というものについて学ぶことは、ふるさと大町への愛着と誇りにもつながるものと考えております。
良い作品が出来上がりますことを期待するとともに、出来上がったあかつきには様々な分野で子供たち、そして市民の皆さんに受け止めてもらえるような取り組みを進めてまいります。古くから大切に語り継がれてきた民話が、アニメという子供たちに親しみやすい形で、そして映像で伝わることを楽しみにしております。