前回取り上げた信州大王イワナと共に、長野県を代表するブランド魚として県内に普及している『信州サーモン』。
信州を代表するブランド魚として、メニューに取り入れている飲食店も増えてきているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
信州という冠がつくだけで、世間一般に普及しているサーモンとは何が違うのか、取材しました。
元々『信州サーモン』は昔から長野県に生息していた魚ではありません。
「信州でしか味わえない、信州ならではの食材で皆様をお迎えしたい」という想いで長野県水産試験場が約10年もの歳月をかけて開発しました。
最新の技術により「ニジマス」のメスと「ブラウントラウト」のオスを交配し、両者の良いところを受け継いだ信州サーモン。銀色の身体と紅色の身がサーモンを思わせることから、そう名付けられました。
開発中には、メス親となるニジマス四倍体は非常に低い確率でしか作出できないため、事業として成立するレベルまで個体数を確保するのに大変長い年月を費やしたり、肉質が良く病気に強く育てやすい魚を生み出すための最適なオスの魚種選び等、乗り越えなければならない様々な課題もありました。
しかし開発者、生産者の方々の努力と情熱により多くの困難を乗り越え、現在では長野県を代表するブランド魚として全国で高い評価を受けています。
その稚魚はベテランの魚飼い達の手により信州の清冽な水で育てられます。
稚魚の成長は早く、2、3年で約2㎏、全長65 ㎝の大きさになり、いつでも十分に脂がのったおいしい状態で出荷することができます。
卵を産まない信州サーモンは産卵に要するエネルギーがそのまま美味みと栄養になり、きめ細かく肉厚な紅色の身にギュッと凝縮されます。
適度な脂はトロリととろける舌ざわリと豊かな風味を醸し出し、それでいて後味にしつこさがありません。魚の匂いが苦手な人にも食べていただきたい絶品の魚です。
肉厚な身はクセがなく、和洋中、どんな料理でもおいしくいただけますが、なかでも刺身は、まろやかな美味みと適度な歯ごたえが絶品。ぜひ一度味わってみてください。
イベント名 | ブランド魚「信州サーモン」 |