海なし県・長野に暮らす高校生が海洋の課題を学び、自らの政策を考える-。海と日本プロジェクト in 長野が企画した「長野県高校生 海の政策コンテスト」が2025年11月24日(日)、NBS長野放送で放送されました。
参加したのは松本県ヶ丘高校と上田西高校の高校生3チーム。石川県能登地域や富山での事前合宿と数カ月の探究・調査を経て、政策を提案しました。
各チームの政策と審査結果をダイジェストでお伝えします。
松本県ヶ丘高校「WOVEN FATE」は探究科に所属する3人が集まったチーム。「海のない長野県と海をつなぐ」という課題に取り組む中で、コンテストへの参加を決意。一次選考では「寒天で海を手元に」というユニークな提案をしました。
3人が本番で提案したのは、海洋ごみ削減に向けて、環境に優しいプラスチック代替素材の普及を促す取り組み、題して「ウミ×トク革命」です。
3人は合宿後、伊那食品工業を訪問し、寒天由来の可食フィルムを学び、自分たちでも寒天フィルムの実験をしました。
改めて分かったのはプラスチックに代わる植物由来の素材は、環境に優しい反面、コストがかかり、普及のハードルが高いことです。
そこで、商品の購入にゲーム要素を取り入れた、消費を楽しみながら環境意識を高める仕組みを考案しました。「既存のエコ商品に別の価値を与える方が実装が早く、負担も少ない」と、言わば現実的な視点に立った提案です。
具体的には、環境配慮商品等にQRコードを付与、購入者が読み取ると、スマホ上で「海のすごろく」に挑戦。途中でクイズや4コマ漫画に触れながら学びを深め、ゴールすると海の特産品などの特典を獲得できる仕組みです。発表では、試作した「すごろく画面」も披露しました。
JAMSTEC 上席研究員の野牧さんは「私の仲間も研究しているが、確かに代替素材は1個100円みたいになって大変。見切りをつけて、将来のために今できることに注目したのはすごい」と評価。実業家の武藤さんは「ポイ活はみんなやっているので、環境問題に取り組む入口として取り入れやすい」と述べました。
3チームの発表が終了。いずれも高校生らしいフレッシュな提案でした。次は審査結果をお伝えします。