海と日本プロジェクトin長野では、毎年テーマを変えて、小学生の学習活動を実施しています。 今年度のタイトルは・・・
長野県は「海なし県」ですが、当たり前のように毎日の食卓に海の幸が上がります。 海から遠く離れた山国、長野県であっても、今では日本各地で獲れるおいしい海産物をいつでも食べられます。 その理由は大きく分けて以下の3つ。 ➀美しい海の環境があるから ➁魚を獲ったり、魚を運んでくれる人がいるから ➂おいしく調理してくれる人がいるからです。 これからも安心安全新鮮な海産物をおいしく食べるため、 海のない長野県民が美しい海を守るためにすべき生活・行動は何かを考えようと『海の恵みを届け隊』を結成。海洋問題を段階的に学び、海への感謝と環境意識を育むことが目的です。
調査活動は計3日間。初日は、猛暑厳しい8月29日(土)。長野市、上田市、松本市、安曇野市、塩尻市、茅野市の県内各地から集まった小学生5,6年生19名の隊員が結団式会場の上田市サントミューゼに集合。まずは結団式です。
司会進行は、海と日本プロジェクトin長野の推進リーダーで、NBS長野放送の汾陽美樹アナウンサー!そして隊員たちをサポートするのは信州大学の3人のお兄さんたちです。(結団式前に気合のポーズで決める4人)
まずは、汾陽アナから隊員の児童たちに海と日本プロジェクトについて説明をしました。
「海に囲まれた日本は、その恵みをたくさん受けています。楽しく遊んだり、魚を食べたりと、海は私たちの生活を支えてくれています。長野県は山に囲まれ海はありませんが、日本一長い川、千曲川で海とつながっています。海水浴も夏の楽しみのひとつ。そんなみんなの大好きな海に今、大きな変化が起きているんです。海にゴミが増えて汚れてきたり、海水の温度が上がって住む魚が減ったりと、いろんな問題がおこっているんです。来週みんなで行く、長野市から一番近い新潟県の上越の海でもその問題は、おこっているんですよ。今日は、海と山国信州がどのようにつながっているのか、良いところ、困っていることを、しっかり考えて海を大切にすることを学びましょう!」
続いて、海の恵みを届け隊の隊長・長野県みらい基金の高橋潤理事長から「長野県の自然は、海にどのような影響を与えているのか、私たちの生活は、海にどのような影響を与えているのかを学び、がんばりましょう!」と語りかけました。
スタッフ紹介が終わり、次は子ども達の番です。実は事前に「未来の海はどんあ海であってほしいか」という宿題を出していました。各班ごとに分かれて、自分の考えをみんなに伝えながら班ごとの考えを発表します。
▼未来の海はどんあ海であってほしいか」▼
➀班「ごみがなく透き通っていて魚が安心して暮らせる海」
➁班「きれいで人が泳げて、もっと魚がいて、人が汚さないステキな海」
➂班「きれいで泳げて事故がない海」
みんな海のことを本当に大切に思っていることがよくわかりました。隊員たちの意気込みが伝わってきます。
さて、今回の調査隊の学習を先導してくれるのは、公立長野大学環境ツーリズム学部の高橋大輔教授。サッカーをこよなく愛し、関西弁ならではの軽妙なトークで子供たちとの距離を一気に縮めます。
髙橋教授からは、今回の活動の狙いを改めて説明してもらった後、海と川と森がどのようにつながっているかの講義です。
海なし県・信州の子供たちに自分たちの生活と海がどのようにつながっているかを感じ考えてもらうのが今回の調査の本題です。高橋教授からは、「川の水はやがて海につながる。山国・信州に住むみんなは、水を通して世界とつながっている。そして、透明に見える川の水煮はたくさんの栄養がある。この栄養は川の水の流れに乗ってやがて海へと注がれ、海の生き物の栄養になる。」と話す一方、「川を汚すと、その汚れた水が海に注がれる」と負の側面も子供たちに伝えます。
日常の生活では海と直接触れあることが少ない信州の子供たち。それでも、山と川を通して、海につながっていると感じたようで、真剣な表情で講義を受けていました。
およそ1時間の結団式、講義を終え、隊員たちは屋外へ・・・。いよいよフィールドワークの調査活動スタートです!