海なし県・長野に暮らす高校生が海洋の課題を学び、自らの政策を考える-。海と日本プロジェクト in 長野が企画した「長野県高校生 海の政策コンテスト」が2025年11月24日(日)、NBS長野放送で放送されました。
「海の社会課題に立ち向かえ!〜未来をデザイン!海なし県の挑戦〜」をテーマに、松本県ヶ丘高校と上田西高校の高校生3チームが集結。石川県能登地域や富山での事前合宿と数カ月の探究・調査を経て、政策を提案しました。各チームの政策と審査結果をダイジェストでお伝えします。
審査員:野牧 秀隆 氏(海洋研究開発機構 JAMSTEC 上席研究員/有人潜水調査船「しんかい6500」搭乗研究者)
武藤 千春 氏(実業家/タレント/農ライフアンバサダー/防災士)
MC:鶴崎 修功 氏(東大卒タレント・QuizKnock)/松山 航大(NBSアナウンサー)

トップバッターは松本県ヶ丘高校「縣陵政経研究会」。政治・経済に関心を持つメンバー3人で結成され、「仲間と共に課題解決に取り組みたい」という思いからコンテストに参加しました。
この日、3人が提案したのは、能登半島地震の復興支援を目的とした「能登ブリかがやきバーガー」の販売です。
事前合宿で能登を訪れた3人。地震の爪痕を目の当たりにし、漁師や地域振興に取り組む人たちと交流する中で知った人口減少などの課題も知りました。これらを受けて、能登の支援、漁業振興につながる政策・提案を模索し、辿り着いたのが海産物で信州と能登をつなぐアイデアでした。
3人は地元のスーパー・綿半に連絡を取って協力を打診し、能登産ブリを使ったフィッシュバーガーを試作。
スーパーの全面協力の下、実際に店頭で販売されることになり、ボリュームと価格のバランスを考慮し、649円という誰もが手に取りやすい価格設定にしました。
ネーミングには、「能登に再び輝きを」という願いと、県民おなじみの北陸新幹線「かがやき号」の親しみやすさが込められています。
販売の成果についても「能登の産物の売上推移を検証し、実際に支援につながるかを確認する」とし、消費を通じて地域を支援する仕組みづくりのプレゼンを展開。発表では試食も行われました。
試食した審査員の2人は味・ボリューム・価格を高く評価。JAMSTEC 上席研究員の野牧氏は「販売の際に、現地の写真なども一緒に掲示すると、より支援につながるのでは」というアドバイスを送りました。実業家の武藤さんは「綿半さんに熱弁して、ここまで形にするのは大人でも難しいこと」と評価しました。
次のレポートは政策②上田西高校「Westerlies」です。