海水で作った塩を、塩の道を通って長野県へ!
さて、冒険ツアーもいよいよ終盤に近づいてきました。
バスは富山県から、塩の道の起点、新潟県糸魚川市へ。歩荷像のある美山公園に到着です。
歩荷像は背中に大きな荷物を背負い、手には杖を持っています。
塩研究会の浜さんが「たくさんの荷物を背負って、大変ですね。私たちも、これから長野に塩を運ぶんですよ」と歩荷像に語りかけます。
歩荷像の様子を絵に描き留めようと、顔を覗き込んだ子どもから「怖い顔してる…」という声が漏れます。長く過酷な道のりを歩く、歩荷の苦労を想像したからこそ感じ取れた表情かもしれませんね。
そこからバスで約1時間、長野県の小谷村に到着。バスを降り、ガイドの松沢さんに案内してもらいながら、塩の道の難所、「親坂」を実際に歩いてみました。
歩き始めてすぐに、「馬頭観音」が並んでいます。
急な坂や曲がりくねった道が続き、牛や人の水飲み場、荷を背負ったまま座って休める「休み石」など、説明を聞きながら進みます。
「この大きな岩は、錦岩。道を行く人が目印にしていました」
「牛が背負った荷物のことを『一駄』といい、そこから『駄賃』という言葉が生まれました」という説明には、思わず「お~!!」と納得する声が上がりました。
険しい道ながら、木陰で少しひんやりとした空気に「気持ちいい」と元気をもらった子どもたち。それでも、こんな急な細い坂道を、大きな荷物を背負ったり、牛を何頭も引き連れて歩いた歩荷たちの苦労に思いを寄せているようでした。
富山冒険ツアーも、いよいよおしまい。
終わりの会で、中沢教授は「人間の生活にとって大事な塩が、海水からどうやって作られるかを体験したり、昔の人たちがどれだけ大切にしてきたかということも知り、色んなことを感じたと思います。みんなとてもたくましくなって、すごい力を持っていると思いました」と笑顔であいさつ。子どもたちからも、充実した笑顔が見られました。
6年生のみつきさんは「疲れたけど、めちゃ楽しかった。分水嶺を勉強した時は、山のとても小さな川が、海につながってるってことが意外だったけど、実際の海を見て、その大きさに改めてびっくりした。塩の道も、勉強した時はもう少しのんびりした道かと思ってたけど、実際に歩いてみて、あんなに険しいんだということにも驚いた」と話してくれました。
隊長の髙橋潤さんも「教科書に載っていないような体験や、汗水流した体験は、得難いもの。これまでのフィールドワークで学んだ知識と、今回の経験がつながってくれたのでは」と、子どもたちの成長に目を細めていました。
2日間、自分の体で盛りだくさんの体験をして、たくさんの事を感じ取った子どもたち。今度は、自分たちが学んできたことをまとめ、発表へとつなげていきます。