海と日本プロジェクトを推進する日本財団(東京)は5月26日、新型コロナウイルスの感染再拡大に備え、全国139の病院にある救命救急センターや救急科を対象に医療物資の購入費用など50億円規模の支援を実施すると発表しました。支援の対象は、長野県を含む、37都道府県にある救急指導医指定施設です。感染の再拡大と、台風や地震など自然災害が重なって多くの患者が発生した場合を想定し、各病院から申請を受け、院内感染を防ぐ防護服やマスクの購入費、患者の受け入れ数を増やすための施設修繕費などを援助します。
日本財団の笹川陽平(ささかわようへい)会長は、「医師や看護師に『これから環境がよくなる』と自信をもってもらい、災害に備える助けになれば」と話しました。
日本財団は、生命の危機にある状態の患者を最初に診断する救急医療を支援します。内容は、2020年度は防護着やドクターカーなどの購入費といった資金支援を実施。まず6月中に先行して4つの救急指導医指定施設へ開始し、その後、7月から他の施設へも資金支援を始める予定です。この日は、支援資金の使途の例として、ドクターカーなどが公開されました。
日本財団の常務理事・海野光行さんは「今そこにある危機への対応として“新型コロナ対策への支援”を行い、次に起こる危機への備えとして“第2波、第3波の新型コロナへの備え”と“甚大な複合災害への備え”」だと話しました。日本財団による新型コロナウイルス対策の救命救急医療支援は、6月から東京と横浜、大阪の計4施設で始め、7月から残りの135施設に拡大する予定です。