森・川・海のつながりを調べている天竜川調査隊。「海の調査」のため、1泊2日で静岡県を訪れています。まずは天竜川の河口付近を見学しました。
午後は、磐田市内の施設でお勉強です。まずは磐田市役所の方から、駒ヶ根市・伊那市・喬木村との友好都市関係について説明がありました。
隊員たちの地元・3市村と磐田市は、天竜川でつながっていることから、古くから交流があり、友好都市として提携しています(駒ヶ根市と磐田市は約700年前から同じ伝説を共有しているそうです)。山と海・・・天竜川が取り持つ縁を、これからも大切にしていきましょう。
続いて、国土交通省 中部地方整備局 浜松河川国道事務所の福本課長より、「遠州灘の現状となりたち」に関する講義です。
天竜川が注ぐ遠州海岸は、愛知県の伊良湖岬から静岡県の御前崎へ、長さ約117kmにわたります。遠州海岸は、主に花崗岩類といわれる白い砂で作られています。しかし近年、遠州海岸に流れ着く土砂の量が減っており、海岸線の後退が問題になっているそうです。その原因のひとつとして考えられるのは、愛知県と静岡県の境にある佐久間ダム。1956年の竣工から 約60年間で1億3000万㎥、東京ドーム100杯分の土砂をせき止めていたと考えられます。
現在、浜松国道河川事務所は 天竜川ダム再編事業を進めています。佐久間ダムでは、たまった土砂を いったん陸上に上げ、洪水時に下流へ流すシステムを構築。海岸線の後退を抑制するための取り組みを進めているそうです。
天竜川や遠州海岸のさまざまな場所で集められた砂のサンプルを観察。粒の大きさや色の違いを見比べました。
大学生の研究レポート!
最後に、学習サポート役の大学生3人が登場しました。信州大学 理学部 物質循環学コースの学生たちです。
3人は つい最近、諏訪湖の水質を調査する実習をおこなったそうで、その内容を紹介してくれました。諏訪湖や上流の河川で、プランクトンの量や、化学肥料などに由来すると考えられる窒素の量を測定。そのデータから、諏訪湖の水質についてどんなことが言えるか、現在 分析中だそうです。
諏訪湖は昔よりもきれいになっていると言われますが、ボートから湖面を観察すると まだまだゴミが多く、臭いも感じたそうです。
天竜川の始点・諏訪湖に関するレポートを、隊員たちは真剣に聞いていました。きれいな海を守るためには、上流・中流・下流、あらゆる場所でゴミを出さない努力が必要です。
幅広い話題で、濃密な学習会となりました!