2018年10月14日(日)に放送された第16回の内容を紹介します。ミニ番組シリーズ「海につながる長野県 ~海と日本プロジェクト in 長野~」は、NBS長野放送(8チャンネル)で毎週日曜 よる9時48分から放送しています!(編成事情により休止となる場合があります)
毎年9月に開催される、穂高神社の例祭「御船祭り」。船の形の山車が、多くの人に引かれ、市街地を進みます。海のない信州にどうして船の祭りが伝えられてきたのか。それは穂高神社の祀る神様と深い関係があります。
穂高神社の本宮(ほんぐう)。主神として祀るのは、穂髙見命(ほたかみのみこと)。その父綿津見命(わたつみのみこと)とともに、古代の海の民「安曇族」に深く信仰されてきました。安曇族は北九州や朝鮮半島を本拠地として、海運を司り、紀元6世紀頃、この地に移り住んだと言われます。
御船祭りは、海の神様に、美しく、大きな船と歴史絵巻をかたどった穂高人形をお見せする祭りです。穂高神社の権禰宜・等々力良勝さんは、御船祭りについて「(安曇族が)波を乗り越えてきた様子を想像することができ、海とのつながりを感じることができる」と話します。
午後4時過ぎ、市街地を引かれてきた5艘の「御船」が、1艘ずつ境内を回り、神様に、見事な今年のできばえを披露します。祭りのクライマックスは、「大人船(おとなぶね)」と呼ばれるとりわけ大きな2艘の御船のぶつかり合いです。勇ましいお囃子と鬨の声が激しい戦いを盛り上げます。
「海を渡って安曇族が来たということですので、やはり海は大切に守っていかなければいけないと思います」と話す、権禰宜の等々力さん。御船祭りは、海の民の末裔であることの誇りと、海への感謝を、長い時を超え、今に伝えています。