今年で3回目の開催となった「スポGOMI甲子園 長野県大会」。秋の長雨で開催が心配された9月4日。朝の準備段階では、雨がザーと降っていたものの開催式が始まるとぱっと晴れ間が見える幸運。長野県内の高校生3人一組の5チーム計15人が参加し、熱き戦いが繰り広げられました。
スポGOMIとは「スポーツごみ拾い」の略。チームで力を合わせて、制限時間60分以内に定められたエリアでゴミを拾い、その質と量をポイントで競い合う、環境に最も優しいスポーツです。日本財団 海と日本プロジェクトでは、スポGOMI甲子園 全国大会を11月に東京で開催する予定で、その地区予選として長野県大会が開催されました。去年準優勝の第一学院高校のメンバーは、今年こそはと気合十分。作戦タイムも入念に行っていました。
まずは、海と日本プロジェクトin長野県実行委員会から大会の趣旨説明。「スポGOMI甲子園は、日本財団 CHANGE FOR THE BLUEの一環です。海洋プラスチックごみは世界中で1年間におよそ800万トン流出し、その8割は、内陸部からのものと言われます。長野県に海はありませんが、川で海とつながっているので、この街のごみが、海に流れる可能性があります。そうなる前に、1つでも多くのごみを拾い、上流県ながのから海を守りましょう」と呼びかけました。
その後、全員でこぶしをあげ、「チェンジ・フォー・ザ・ブルー!」と発声。それを合図に、競技スタートです!競技エリアは、長野市の繁華街・権堂エリアです。大会は、拾ったごみの重さや質に伴い、ポイントが得られます。ポイントはごみの種類によって異なり、100グラムあたり、可燃ごみ10ポイント/不燃ごみ5ポイント/ビン・缶10ポイント/ペットボトル50ポイント/たばこの吸い殻50ポイントです。ごみ拾いを始めるとひときわ目立つチームがいました。長野県最南端の町・阿南町から参加の阿南高校のメンバーです。
「生徒会の活動として地元の清掃活動に力を入れているのでぜひこの大会に参加したかった」とリーダーの金田菜生さん。ポイントが加算されるオリジナルごみ拾いアイテムを持参しての参加。「バック型だとごみが拾いづらいのでキャリー型にしました。お父さんにアドバイスをもらいながら一緒に作った」と金田さん。ナイスアイデアです。
長野市権堂エリアは飲食店が多く立ち並ぶ繁華街。人通りも多い場所です。一見、ごみはなさそうに見えても、やはりありました。道路沿いの垣根に隠すように、缶やペットボトル、カップラーメンの器などが捨てられていました。
そして目立ったのは、多くのたばこの吸い殻。参加した高校生からは「大人がたばこを吸うのは自由だが、決められた場所で、吸うのがルールだと思う。ごみはごみ箱へという当たり前の決め事をきちんとやってほしい。」とポイ捨てする大人への厳しい意見を述べていました。
制限時間60分間のごみ拾いが終わり、たくさんのごみ袋を手にした高校生が続々と会場に戻ってきて、細かくごみを分別します。
ごみを計量をしてポイントを換算。正々堂々とごみ拾いを行い競い合った選手たち。参加者全員で8.4kgのごみを拾いました。
大会の結果、準優勝は、第一学院高校ミモザ。惜しくも2年連続の準優勝。わずかの差で優勝には手が届きませんでした。
優勝したのは、初出場の阿南高校。総重量では、2番目だったもののオリジナルアイテム賞によるポイントが加算されるなどした結果、見事優勝を手にしました。
優勝した阿南高校チームのコメント
「思った以上にごみがあることに驚いたが、長野市よりも私たちの住んでいる阿南町の方がごみが多いということも分かった。この大会を通じて内陸部のごみが海に流れている実態を知ることができたので、生徒会メンバーで行う定例のごみ拾い活動を通じて海をキレイにしていきたい。初参加で優勝できると思わなかったので、他の学校のメンバーの想いも背負って、出るからには全国大会でも良い結果を残したい。」
優勝した阿南高校は、11月に東京で開催予定の全国大会に出場します。スポGOMI甲子園は、あくまでもスポーツなので勝敗がつきますが、ごみを拾うという行動に優越はありません。今後も上流県・長野からごみをなくし、海をきれいにしていきましょう!
※本大会は参加者の検温、マスク着用、消毒の徹底など新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で開催しました。