長野県の食卓に欠かせない、あの懐かしい味が帰ってきました。海なし県で愛される魚肉製品、その復活の裏には、思いがけない絆と復興への願いが込められています。今回は、ビタミンちくわの再登場と、それにまつわるキャンペーンについてご紹介します。
海なし県の定番『ビタミンちくわ』の不思議な人気
長野県と聞いて、真っ先に魚料理を思い浮かべる人は少ないでしょう。しかし、この山国には意外にも、愛され続けている魚肉製品があるのです。その名も「ビタミンちくわ」。
※写真は2023年7月の様子
実は、昨年7月、海と日本プロジェクトin長野が主催する小学生海洋学習プログラム「信州イカ調査隊」の小学生メンバー23人が石川県七尾市の工場を見学し、焼きたてのビタミンちくわをいただきました。「おいしい。」「うまい。」とおわかりする児童が続出。ここでは、ビタミンちくわと長野県の深いつながりも学習しました。
ビタミンちくわを製造する石川県七尾市に本社を置くスギヨによりますと、生産する約7割が長野県で消費されています。海がない長野県の人々にとって、昔は魚のすり身を使用しているちくわは貴重な食材で、それが今でも家庭料理の浸透し、親しまれているのではと話します。長年、信州の食卓を彩ってきたこの味。しかし、今年の年明けに起きた能登半島地震により、その生産が一時停止を余儀なくされました。石川県七尾市にあるスギヨの3つの工場がすべて停止してしまったのです。
待望の再開と、心温まる復興支援
「2月末から順次、工場の生産を再開し、5月31日には、北陸工場が稼働したことで、七尾市内すべての工場が再開しました」とスギヨの広報、水越さんは喜びを語ります。そして6月1日、ついに長野県内の200店舗以上にビタミンちくわが出荷されました。この再開に合わせ、長野市に本社を置く卸売り業のマルイチ産商が「ビタミンちくわ復活祭」を企画。「食品を扱う信州の企業として、昔からビタミンちくわに育てられてきましたので、生産地である能登の復興を応援したい!」という想いから生まれたキャンペーンです。
※画像:70周年!スギヨのビタミンちくわ(ビタちくワン)のXより @sugiyo_chikuwa
「信州ビタちく-1グランプリ」で新たな食文化を
復活祭の目玉は、「信州ビタちく-1グランプリ」。ビタミンちくわを使ったオリジナルメニューを募集しています。マルイチ産商では「昔から食べている思い出の味や、復活を機に考えた新たな料理など、ビタミンちくわを使った、オリジナルメニューを送ってください」と呼びかけています。
応募方法は簡単。8月31日までに、ビタミンちくわ復活祭のホームページの応募フォームで応募するか、Instagramで「#おかえりビタちく」をつけて料理の写真を投稿するだけです。入賞者には素敵な特典や賞品も用意されているそうです。
長野県の食文化として愛され続けてきたビタミンちくわ。その復活は、単なる商品の再開にとどまらず、地域間の絆や復興への願いを象徴しています。あなたも、このちくわを使った新しいレシピで、長野の食文化の未来を作る一員になってみませんか?
<詳細は特設サイトをご覧ください>
ビタミンちくわ復活祭 (bitatiku-fukkatu.com)