6月17日(月)、東京の笹川平和財団 国際会議場で「海ごみゼロ国際シンポジウム」が開かれました。環境省と日本財団の共同事業で、海洋プラスチックごみ対策に関する企業・団体の優れた取組や学術研究の成果などを紹介し、国内外に発信するものです。
プログラムの1つとして行われたのが「海ごみゼロアワード」の表彰式です。「海ごみゼロアワード」とは、海洋ごみ対策に関して、全国から優れたモデルとなるような取組を募集・選定・表彰するものです。最優秀賞には、特定非営利活動法人 荒川クリーンエイド・フォーラムの「流域一丸! 荒川クリーンエイドで河川/海洋ごみソリューション!」(ゴミを拾うことを通じて自然豊かできれいな河川を取り戻す活動)が選ばれました。
そして、伊那食品工業(長野県伊那市)の「脱プラスチックに貢献する可食性フィルムの研究開発」が、審査委員特別賞を受賞しました!
評価対象となったのは可食性フィルム・・・つまり「食べられるフィルム」です。伊那食品工業といえば「寒天」ですが、その寒天を材料にフィルムを開発しました。
その特徴は、お湯や水に溶けること。2005年から開発を本格化させ、現在は溶ける速さなどの特徴が異なるフィルムを、およそ10種類開発しています。そして、調味料を入れる袋などに使われています。
袋ごと溶けるので、粉末を袋から出す必要がなく、ごみが出ません。
伊那食品工業では、この開発により、年間およそ100トンのプラスチックごみの削減に成功したといいます。また食品だけでなく、医薬品、農業用品、化成品など、さまざまな分野での利用拡大を目指しています。
海なし県の信州から、海洋ごみ問題の解決の糸口を探る、伊那食品工業。その研究開発に、今後も注目していきましょう!
その他の受賞団体
アクション部門
環境大臣賞:兵庫県立神戸商業高等学校 理科研究部
海岸漂着ゴミ回収と海洋ゴミの漂流ルートについての調査研究
日本財団賞:誇れるふるさとネットワーク
一人の100歩から100人の一歩へ「拾い箱」プロジェクト
イノベーション部門
環境大臣賞:花王株式会社
「詰替え」から進化した「付け替え」へ 〜スマートホルダーの提案〜
日本財団賞:株式会社ワンワールド・ジャパン
分別いらず、海ゴミから燃料が作れるリサイクル装置
アイディア部門
環境大臣賞:任意団体 Litterati Japan
SNSを活用したクリーンアクションLitteratiの普及により、データ×アートでポイ捨て問題を解決する
日本財団賞:特定非営利活動法人 アーキペラゴ
うどん県からはじめる脱使い捨てプラスチックボトルの取り組み