レポート
2024.11.26

子どもたちが育てた米の旅路!田植えから稲刈り、精米まで 大切な水の循環

長野県松本市で行われた「いきものみっけファームin松本」の最終回が開催されました。この日、親子約60人が参加し、自分たちで育てたお米の精米過程から食卓に上るまでの旅を体験しました。海と日本プロジェクトの一環として実施されたこの活動は、子どもたちに食と農業を結び付けた環境教育の場を提供しています。

最先端の精米技術に触れる

参加者たちは松本市内の精米会社、中島屋降旗米穀を訪れ、玄米が無洗米になるまでの過程を見学しました。ここで使用されている「BG精米製法」は、米のうまみ層を傷つけずに肌ヌカだけを除去する特殊な方法です。

「この方法は、研ぎ汁による水質汚染を防ぐだけでなく、循環型農業サイクルにも貢献しているんです」と説明を受けた子どもたちは、目を輝かせていました。

さらに、精米過程で取り除かれた「肌ヌカ」は「米の精」という有機質肥料に加工され、田んぼに還元されます。子どもたちは実際に「米の精」を手に取り、時には口に入れてみたりしながら、熱心に学んでいました。

自分で育てたお米の味は格別

精米過程を学んだ後は、待望の昼食の時間です。子どもたちは、自分たちが4月に田植えをして収穫したコシヒカリを羽窯で炊き上げました。さらに、農家の方が収穫したばかりのサツマイモを焼き芋にして、豪華な昼食の完成です。

「いつもより全然おいしい」「自分が育てたお米だからよりおいしく感じる」と、子どもたちは笑顔で感想を述べていました。ある子は「これからご飯を食べるときは、農家さんが頑張って作った気持ちを考えて食べたい」と、食への感謝の気持ちを新たにしていました。

子どもたちの汗の結晶!特別な金芽米が店頭に

子どもたちの1年間の努力が実を結び、「海と日本プロジェクト」と「いきものみっけファーム」のコラボレーション商品として、「長野県産こしひかり 金芽米」が誕生しました。この特別な米は、中島屋降旗米穀の店頭に並べられ、子どもたちの大きな達成感を象徴するものとなりました。

金芽米は、米の栄養価を保ちながら、食味も向上させる特殊な精米方法で作られています。通常の精米では取り除かれてしまう米胚芽の一部(金芽)を残すことで、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいます。

海と日本プロジェクトオリジナルパッケージには、子どもたちが田植えから収穫まで携わったことが記されており、消費者に食と農業の大切さ、そして海と山のつながりを伝える役割も果たしています。

店頭に並んだ商品を手に取った子どもたちは、驚きと喜びの表情を浮かべていました。ある子どもは「自分たちが育てたお米が本当に商品になるなんて信じられない!」と興奮気味に話し、別の子どもは「このお米を買ってくれる人に、海のことも考えながら育てたって伝わるといいな」と、プロジェクトの意義を噛みしめているようでした。

森、川、田んぼ、海をつなぐ水の循環

いきものみっけファームin松本推進協議会の副会長、塩原大さんは、水の循環と海とのつながりについて語ってくれました。

「長野県は山の国ですが、ここから流れる水は川となって、最終的には海にたどり着きます。その途中にある田んぼや畑は、水の恵みを受けて作物を育てています。同時に、私たちは水をきれいにして次へ渡す責任があるんです」

塩原さんは続けて、「信州の森や田んぼで行われている環境に配慮した農業は、実は海の生き物たちを守ることにもつながっているんですよ」と説明しました。

また、水の重要性について、「日本は水に恵まれた国です。特に長野県は水源地として重要な役割を果たしています。この水の恵みに感謝して農業をし、その大切さをみんなに知ってもらいたいですね」と語りました。

この1年間の活動を通じて、子どもたちは単にお米を育てるだけでなく、その過程で水の循環、自然との共生、環境への配慮、そして食への感謝の心を学びました。森で生まれた水が川となり、田んぼを潤し、やがて海へと流れていく。その途中で人々の生活を支え、また雲となって雨を降らせ、森に戻っていく。この壮大な水の循環の中で、信州の農業が営まれ、海の環境も守られているのだと、子どもたちは理解を深めました。

山国・信州から、はるか遠くの海まで、すべてがつながっているという認識は、未来の環境保護に大きな影響を与えるに違いありません。

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